2021.10.27
RH INTEREVIEW with CREATORS vol.3 後編 ~OVERLAP~
ファッション関連のクリエイターにフォーカスし、その人の背景やルーツを探るRH Interview with CREATORS。今回は前編に引き続き去年の12月に東京・富ヶ谷にオープンした【OVERLAP】を特集する。後編ではグルメとコーヒーにフォーカス。ケールを中心にしたサラダショップ“OVERLAP KALE SALAD supported by ケールの王様”、現役ラグビー選手がオーナーのコーヒーショップ“Club House COFFEE”をお届けする。
①今回フィーチャーするオーナー
②ケールにフォーカスしたサラダショップ「OVERLAP KALE SALAD supported by ケールの王様」
③ケールへのこだわりとおすすめメニュー
④「Club House COFFEE」の“クラブハウス”に込められた想い
⑤いずれは人が集まる場所に
①今回フィーチャーするオーナー
都内で4店舗の飲食店を営む株式会社パダワン代表。2018年にオープンした三田のイタリアン「belts」を最初にオープンし、その後サラダを主体にした業態をスタート。OVERLAP立ち上げの実質的な旗振り役で、国領さんからOVERLAP CLOTHINGとClub House COFFEEに声をかけてスタートした。高校時代にはサッカーで日本一を獲得した経歴を持つ。(左)林泰基(Club House COFFEE オーナー)
Club House COFFEE立ち上げ時は現役の元ラグビー選手。1985年、大阪府出身。立命館大学卒業後はニュージーランドでプレー。その後日本のプロチーム、パナソニックワイルドナイツへ加入。2014年から2021年まで日本代表で活躍。植物をこよなく愛する。
(右)山田章仁(Club House COFFEE オーナー)
NTT communicationsに所属する現役のラグビー選手。1985年、北九州市出身。ラグビー日本代表であり、7人制ラグビーの日本代表でもある。慶應大学卒業後にホンダ・ヒートとプロ契約。2013年から日本代表を務める。メディアにも度々登場し、2010年のスポーツマンNo.1決定戦の跳び箱ではラグビー記録タイの18段を記録した。
②ケールにフォーカスしたサラダショップ「OVERLAP KALE SALAD supported by ケールの王様」
取材中もUberやフードパンダなどのデリバリーオーダーがひっきりなしにくるOVERLAP KALE SALAD supported by ケールの王様。キッチンでは忙しなく動く2人のスタッフがオーダーを捌いていく。地域の生活になくてはならない存在になっている同店。OVERLAPの旗振り役であり、SALADのオーナー・国領さんにお店設立のきっかけやおすすめのメニューまで聞いてみた。
—OVERLAP KALE SALAD supported by ケールの王様、この形態のお店をオープンするきっかけは何だったのでしょうか?
国領さん(以下敬省略)「ニューヨークへ旅行した時に街中でサラダを食べる人たちが多かったんですよ。食べている人たちは様々で、若者にもその文化が根付いている感じがしてすごくヘルシーだな、って。そのインパクトが強かったので、日本でもこういうカルチャーを醸成してみたくてこのお店をオープンしました」
—サラダにも色々ありますが、ケールにフィーチャーしたのは何故でしょうか?
国領「このご時世ですし、年齢を重ねるに連れて健康のことを考える人たちが以前に比べて増えていると思います。僕も例にもれずその中の一人ですが、栄養をとる、ということを本気で考えるようになったんです。そこで行き着いたのがケールでした。青汁ってあるじゃないですか?大部分の青汁にケールって入っているんですよ」
③ケールへのこだわりとおすすめメニュー
—扱っているケールへのこだわりを教えてください
国領「直接やり取りしている農家さんのケールしか使っていません。今は長野の飯山、茨城のひたちなかの2箇所の農家さんのみです。お店の核になるところなので妥協はしたくなくて色々探してたどり着いたのがこの2つの農家さんでした。直接問い合わせましたよ。食用で美味しく育てていらっしゃる、最高のケールです」
—その最高のケールを使ったメニュー。初めての人におすすめのメニューを教えてください
OVERLAP KALE SALAD supported by ケールの王様のシグネチャー【ケールの王様】。この他にも多彩なメニューを揃えている。その内容はこちらから。
国領「お店の冠にもなっているケールの王様がおすすめです。このメニューは完全オリジナル。ケールの他にグラノーラ、りんご、ブルーチーズなどが入っています。ドレッシングもオリジナルなので他のお店では食べれません。最近スタートしたブリトースタイルで食べるのもおすすめです。ボールで食べるより腹持ちがいいのでアクティブに動く方に特におすすめのスタイルです」
デリ形態のお店が増える中、ケールにフィーチャーしているお店は全国的にも珍しい。このようなお店が健康志向が高まる中で支持されるのは必然だろうが、美味しくなければ元も子もない。ひっきりなしにくるオーダーがその美味しさの証明だ。グルメとして完成度が高い逸品なので野菜好きに限らず是非一度御賞味いただきたい。
④「Club House COFFEE」の“クラブハウス”に込められた想い
OVERLAP KALE SALAD supported by ケールの王様とキッチンを同じく展開しているのが現役プロラグビー選手がオーナーを務めるClub House COFFEE。話を聞いてみると所謂カフェ、とは趣が違っていた。プロのスポーツ選手が開いたカフェとは、一体どのようなものなのか。
—Club House COFFEEを設立した経緯を教えてください
山田さん(以下敬省略)「僕たちはラグビーを通して様々なことを学んできました。その過ごしてきた大切な時間を仲間と共有したのがお店の冠にもなっている“クラブハウス”なんです。楽しいことも、苦しいことも…。僕たちが大切にしてきたこのコミュニティの形を、僕たちが好きなカフェで再現できたらいいな、と思って設立したのがClub House COFFEEです」
—品質やお店作りなど、こだわりポイントを教えてください
林さん(以下敬省略)「カフェが好きで都内を中心に色んなお店を回って、行き着いたのが自分が好きなコーヒーをお客様に出すこと。今の好みは浅煎りです。他にも少しでもラグビーに興味を持ってもらえるような工夫にこだわっています。お店のネーミングからそうなんですけどね」
—実際にお店を開いてみて、率直に今感じていることはありますか?
山田「楽しい半分、経営面で学ぶことが多いですね。あとは昔の馴染みの人と再会できる場所ができたことが自分の中でとても大きいです。ラグビーに限らずだと思うんですけど引退すると元々チームメイトだった人と会うことってなかなか無いんですよ。このClub House COFFEEが再会の場になったことは嬉しいです」
取材中の一場面。前編で紹介したOVERLAP CLOTHINGの水野真理恵さんは実は筆者の元同僚。昔の馴染みとこうやって出会える場がClub House COFFEEだ
林「経営することは監督になることと同義だな、と。お店に立ってもらう人はプレーヤー。プレーヤーが求める監督像を自分に置き換えれるように意識しています。ここでもラグビーで学んだことを活かしています」
⑤いずれは人が集まる場所に
—まだオープンして間もないですが、もし今後の展望があれば教えてください
山田「固定のスタッフをつけていないのでお店が開いてない時があるんです。だからこれからはしっかり開けていきたいなっていうのはありますね。しっかり開けることができた後には、カフェというよりかは待ち合わせ場所という感覚で使ってもらえるようにしたい、これがこれからの展望です。お客さんにとっても、働き手にとっても集まれる場所ができれば最高です」
取材中、終始笑顔で対応してくれた鶴ヶ崎さんも元ラグビー選手。現役を引退した後は俳優業の傍ら、Club House COFFEEで働いている。彼の笑顔を見にいくだけでも価値がある、そう思わせてくれるスタッフだ
林「夢を追える人の受け皿になるといいな、って思います。今いるスタッフは元ラグビー選手で今は俳優をやっています。そういうスタッフがもう一人いるんですけど、僕たちは彼らのこういった行動をリスペクトしています。こういう人たちがもっと働きやすい環境づくりと、その手助けができるようなClub House COFFEEを目指したいですね」
Club House COFFEEではドリップバッグコーヒーの販売もスタート。林さんが話していたように、少しだけでもラグビーに興味を持ってもらう工夫が施されている。商品名をよく見てみると…
前編と後編で東京・富ヶ谷のOVERLAPを特集したRH INTEREVIEW with CREATORS vol.3はこれで終了。住まいが近隣ではない限り、わざわざ足を運ばなくてはいけない立地ではあるが一度行くと次も行こうと思う魅力たっぷりなお店だ。その魅力を体感しに、是非OVERLAPへ足を運んで欲しい。
<お問い合わせ先>
OVERLAP
東京都渋谷区富ヶ谷2-20-1
https://overlap-tokyo.com/