FASHION

2021.05.13

つながりと文脈をもとに、自分の “好き” を詰め込んで。anytee×WARDROBE TREATMENTのポップアップショップ『WARDROBE by anytee』に潜入!

映画、音楽、スケートボードなど、あらゆるストリートカルチャーにまつわるヴィンテージTシャツを販売しているECショップ、anytee(エニティ)。確かな審美眼によってセレクトされた、70〜90年代アメリカの風が感じられるアイテムで大きな人気を集めています。

そんな「anytee(エニティ)」が、このたび、池尻のオーダーメイド宅配クリーニングサービスWARDROBE TREATMENTにてポップアップショップを開催。

ここでは、「anytee(エニティ)」のオーナー・高橋龍氏が今回のポップアップショップに寄せた想いを伺っていきます。聞き手を務めるのは、WARDROBE TREATMENT クリエイティブディレクターでありレイトハイヤー編集長もつとめる上野。ヴィンテージTシャツマニアのみならず、すべての服好きにガツンと響きそうな、尊いお話を聞くことができました。ぜひお楽しみあれ!

①“いつもいつも、何かあるごとに「今日は何を着ようかな?」って考えるんです”
②何よりも “文脈” を大切にしていく、ということ
③小さく、たくさん、みんなと一緒に作り上げていく

—“いつもいつも、何かあるごとに「今日は何を着ようかな?」って考えるんです”

上野:今日はよろしくお願いします! anyteeについてお話を聞けること、すごく楽しみです。

高橋氏(以下敬称略):よろしくお願いします! 僕の方こそとっても楽しみにしています!

上野:今日着ていらっしゃるのは、何のTシャツですか?

高橋:アカデミー賞の発表に合わせて、年代モノのアカデミー賞モチーフTシャツを着てきました。いつもいつも、何かあるごとに「今日は何を着ようかな?」って考えるんですよね。

高橋:今回、ポップアップショップのために選んだアイテムたちも、すべてそう。これまで自分が実際に着込んできたアイテムを販売しているんです。つい最近まで着ていたモノもたくさんあって。クローゼットの前で「今日は何を着ようかな?」と考えていた時に見つめていたアイテムばかりですよ。

上野:高橋さんが常に意味合いを持って身につけ続け、たくさんの愛情が込められたアイテムが、今回のポップアップショップ『WARDROBE by anytee』に集約されているということですね。

高橋:ポップアップの開催前に、Instagramアカウントでフォロワーのみなさんに質問してみたんです。「何が欲しいですか?」って。そうしたところ、結構多くのみなさんがお返事をくださったんですよ。そのなかに『165cmでも着られるシャツが欲しいです!』という答えがあったんですが、それには「178cmの僕が着られる服しかありません!」と答えました(笑)。

上野:確かに。高橋さんの私物ですからね(笑)。

高橋:まさに。Tシャツなんかだとゆったり着ることも楽しいけれど、今回は「クリーニング屋さん」でのポップアップイベントなので、よりクリーニングに親和性の高い「シャツ」を選んでみました。もちろんanyteeのアイデンティティのひとつであるヴィンテージTシャツもたくさん用意していますけどね。

上野:その本も、高橋さんの私物ですか?

高橋:僕がこれまで個人的に集めてきた本ですね。90年代から2000年代のものまで、たくさん持ってきました。自分の好きなカルチャーについて書かれたもので、特に表紙のデザインが良い本をたくさん。これも同じく、実家や自室の本棚からかき集めてきたんですよ。クローゼットや本棚が再現されているような感じですね、WARDROBE TREATMENTさんの店内で。

—何よりも “文脈” を大切にしていく、ということ

上野:高橋さんからは「思い出を大切にする」という気概が感じられます。これについてはどうお考えですか?

高橋:anyteeを始めたきっかけとして、「自分が得意なことや好きなことでご飯を食べられるようになったら良いな」と思ったことがあって。このスカーフはヘラルボニーというブランドのアイテムなのですが、このスカーフをデザインしたのは知的障害のある方々なんです。

上野:このブランドへの関わり方にも、高橋さんが大切にされている想いが詰まっていそうですね。

高橋:国語や算数の問題を解くのは、彼らにとって難しいことかもしれない。でも、「絵を描くことが好き」という特徴をもって、それを仕事にすることができる。それってとても美しいことだと思うんです。僕にとって、このブランドに出会えたことはすごく幸せでした。「思い出」ももちろんですが、広い意味での「文脈」を大切にしていますね。僕は。

上野:なるほど。自分たちも何か新しいことを始める際に文脈を大切にしています。

高橋:今日、アカデミー賞のTシャツを選んだこともそう。『ヘラルボニー』のスカーフもそう。anyteeの商品ラインナップもそうなんです。すべてに “意味” や “意図” がある。“つながり” がある。文脈があるんです。WARDROBE TREATMENTさんと出会えたのも、きっと僕にとって大きな文脈になっていくんだろうなぁと思っていますよ。

上野:本当に、すごく嬉しいですね。“つながり” を大切にしている高橋さんと今回のポップアップショップを通して一緒にお仕事ができることは、自分たちが変化するための重要な出会いになったと感じます。僕らが運営している「レイトハイヤー」のメディアは、新しいカルチャーを知るための “きっかけ” としてあってほしいと思っていて。それは、WARDROBE TREATMENTも同じ。服を愛するためのきっかけになれば良いな、って。

高橋:WARDROBE TREATMENTさんの集客につながれば、それが一番良いなぁと思うところが強いですね。今回のポップアップショップ『WARDROBE by anytee』は。互いにとって良い影響を生み出すことがもっとも大切ですから。

上野:高橋さんがanyteeを始められたのは、3年前ですよね? 実は、僕らが運営しているWARDROBE TREATMENTも、活動を始めてから3年が経つんです。みなさんに知っていただいてから、今はようやく落ち着いてきた頃で。まさにこれから自分たちが「ただのクリーニング店」で終わらせたくない想いを抱いたタイミングで、高橋さんとつながることができました。

高橋:それは完全に運命ですね(笑)。実は僕、ファッションのキャリアがあるわけじゃないんです。編集業のキャリアも無いし。でも、こうして活動を続けていくなかでたくさんの出会いがあって。上野さんももちろんそう。メディアの方々との出会いも数多くありました。これは想像に過ぎないのですが、きっとこれからの5年が一番楽しいんだろうな、って。みんなと一緒に面白いことをやれる。その土台ができてきたな、と感じますよ。

—小さく、たくさん、みんなと一緒に作り上げていく

上野:では最後に、anyteeが目指す未来の姿と、今回のポップアップショップに向けた意気込みを伺えますか?

高橋:小さく色々なことをやっていきたいな、と思っていますね。さまざまな人とモノづくりをしていきたいな、って。ヴィンテージTシャツを中心とした古着の小売も続けていきたいですが、これからは「モノをつくること」にフィーチャーしてみたいんです。anyteeのイラストデザインを作ってくれたのは、大学院生の女の子なのですが、そういった “つながり” をもとにしたクリエイションを広げていけたら良いなと考えていて。

上野:「みんなを巻き込んで一緒に創り出す」って、すごく大切ですよね。循環させること、つなげていくことを自分たちも大切にしています。

高橋:みんなの “好き” が詰まったモノや場所って、やっぱり面白いですもん。anyteeはその代表例で。僕の “好き” だけを集めた場所。それを元に、友達と集まって面白いことをしていきたいな、と。今回のポップアップショップWARDROBE by anyteeも、そのうちのひとつですね。会期(5月31日まで)中の毎週土曜日には、商品をプラスして新たな気持ちで楽しんでいけるようにもします。それに、僕の友人たちがイベントに立ち会ってくれたり、彼らが持っている私物アイテムを販売したり。

上野:今回のイベントに関して特に「すごいなぁ」と思うのが、お客さんの滞在時間がとても長いんですよ。みなさん、とことん吟味してアイテムを買ってくださっているような気がしていて。じっくり見て行ってくださるんです。もれなくみなさんが、とことん楽しんでくださっているような。

高橋:本当に嬉しいですね。僕の “好き” が多くの方に伝わっていること。anyteeのInstagramには『もうanyteeでしか服を買ってないんです』といったメッセージがたくさん来ていて。そんな方々に、自分の好きなモノをお裾分けするような感覚で、今回のポップアップイベントも楽しんでいただけたら良いなぁと思います。僕の家のクローゼット、もはやほとんど空っぽですからね(笑)。

上野:高橋さんのクローゼットの全容を見たい方は、ぜひWARDROBE TREATMENTへ(笑)!  今日はありがとうございました!

 

【WORDROBE by anytee】
〜5月31日(月)
商品ラインナップは、毎週土曜日に更新!
PLACE:WORDROBE TREATMENT
〒153-0042 東京都目黒区青葉台3丁目8−10
anytee Instagram:https://www.instagram.com/anyteeshop/
anytee ONLINE STORE:https://www.anytee.shop

Writer Profile

三浦希

Writer Profile

三浦希

ライター/編集者

WEB制作会社、編集プロダクション、ECサイトディレクターを経て、2020年4月に独立。フリーランスのライター・編集者として活動する。ファッションを中心に、さまざまな媒体での執筆や編集業に携わっている。Instagram:@nzmmur

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